あのスカイセンサー5500が置いていた
1971年に発売して、確か型式はICF-1100で、フロントフェイスに『THE11』と刻
まれ、シングル・スーパー・ヘテロダインの「SSH」で名称はともかく受信性能
がよく、スピーカーからの音も当時のラジオでは抜群に感じていた。
中学生だった私は、この人気のラジオ「THE11」を手に入れる事が出来ずにいた。
それほど、思い入れのあるラジオだった。アンティーク屋さんを回ってみたりし
て探していたら、それらしきラジオがあった。
しかし、不具合があるらしい。受信ができなかったりするものであった。現状
で機能していないラジオを、直す勇気はなかった。その後も色々なところで探す
が見つからなかった。今ならネットオークションなどで見かけることもある。
札幌市内の管理が丁寧なアンティーク屋さんをのぞいてみた。そうしたら、ス
カイセンサー5500が置いていた。電池を入れて作動も問題ない事を見せてもらい、
本来の「THE11」には到達できなかったが、平成11年11月11日のマイゲームとして
は上出来という事で購入してきた。
チューニングダイヤルの下に、イヤホンボックスがあるが、さすがに付属して
いなかった。また、ACアダプターもないので、単二電池3本の電池駆動である。
さすがに、感度もイイこのラジオは、スピーカーからの音もイイ、最近の硬質な
音のクリア感とは違い、本体が低音を引き出すためのボックスとなり深みのある
音を出してくれる。低音と高音の音質の調整しかないが、イコライザーなどは必
要としないほど、豊かな音源をだす。
それから12年、何のトラブルもなくここにある。メンテナンスとしては、ボリ
ュームのガリや、音質調整のガリなどがどうしても発生するので、接点復活剤な
どは多少必要だった。本来の目的とは違う、BCL系(本格波ではなく短波が受信
できる)の受信機となってしまったが、この機種もブームの先鞭をつけたという
意味では相当な価値がある。
このような物を見ると、概ね1970年代から1990年代までの家電品の品質は、30
年くらいは平気で保つクォリティで作られていたように思う。「物持ち」がイイ
ことで、新しいものが売れないというのは、詭弁であって単に質を落としてきた
ようにしか見えない。最近のものづくりをみるとそんな「使い捨て」的なモノが
増えてきたように見える。
2011年11月11日、思い出して見ました、平成11年11月11日を・・・。
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