東南アジアで価格交渉は一筋縄ではいかない。
旅先でムキになって値切ることも無いのにと思うのだがつい価格交渉が美徳と考えてしまう。普段日本国内で生活すると慣れている定価(メーカー販売希望金額)がわかるので値引きもわかりやすい。
ところが、ベトナムなど東南アジアの国々は、一筋縄ではいかない。例えば、シクロの乗車するとなると、百選錬磨のそのドライバー達は、なかなかしぶとく価格の交渉してくる。こちらの金額に一歩も譲らないこともあれば、ホイホイとこちらの言い値に下げてくることもある。
どちらにせよもう私の負けは確定している。
両替は現金派、それともクレジットカード派!
東南アジアの旅をすると、現地通貨とドルの両方が使えてしまうことが多い。両替は空港でしてしまって不足分は、市中のATMかで補充する程度。クレジットカードが使えれば、現金を大量に持ち歩くのを防げるので、どちらかと言うとカード派なのだと思う。
新生銀行などのキャッシュカードは、自分の口座預金から現地で海外の通貨で引き出しできるサービスもある。
クレジットの海外キャッシングは便利だが、お金を借りるという抵抗感がある人に取っては、このキャッシュカードはあくまで自分の預金の範囲なので、気分的にイイという人も多いだろう。
普段の決済は極力クレジットと決めても、観光客相手の交通機関、ひとり乗りのバイタクシーやシクロ(自転車の前に座席をつけた人力車)などは、乗ると決めた時に「値段交渉」によって成り立っている。
それは、少し前に乗った客が、10,000VND(ドン)だったのに、私が乗るときは20,000VNDなんて言うこともある。友人が以前同じ場所でひろったシクロが15,000VNDと聞いていて、これ以上はならないだろうと検討をつけて交渉するがまったく関係がない。ドライバーとの間で瞬間的に価格は変化し続けていく。
観光地の価格をどう考えるのか?
日本のようにどんな人にも価格の「平等」とかではなく自由価格である。日本の観光地でも一部観光価格は存在しているが・・・。
ベトナム以外の東南アジアでは、市街地を気軽に移動するのに、タイならトゥクトゥクやインドネシアのベチャなどもある。それぞれ、こちらから声をかけようが相手からアプローチがあろうが事前の交渉が必要になってくる。
そんな訳で、基本的にチップいらないベトナムでも現地通貨を持って歩く。この紙幣のケタに最初は驚く。ただし両替の時不用意に日本円を日本の感覚で両替すると分厚い紙幣を受け取ることになる。(なるべく、使いやすい紙幣の10,000VND・20,000VNDを多く揃えると必然的に紙幣のカサが増す。)
吉田友和さんの本「ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン (幻冬舎)Kindle」を読んでいて納得してしまうシーンがあった。
その場面は、ハノイから北上してラオカイ駅に列車に乗り込む時の会話。豪華な寝台列車の旅のはじまりで起きた。列車に乗り込む時に、声がかかった。チケットを見せてくださいという、言葉にすっかり車掌だと思っていた。
寝台の客室まで案内をしてくれるという場面で、それは起きた。しかも重い荷物を運んでくれたという親切心も手伝って純粋なサービス捉えた。しかし、ありがとうの言葉にも立ち去ろうとしない。
「ポーターだったとはじめて気づく」というところから やり取りの一部を引用させていただく。
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ハノイ発夜行バス、南下してホーチミン 吉田友和著 幻冬舎文庫より引用
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そのあとに作者は、後味の悪さが残ったと語っている。
そのような金銭の経験が、チップではないがシクロなどに乗り込む時におきる。
日本円に換算すると、10,000VNDは約50円位だろう。だからはじめはあまりギツギツした態度で交渉しないように思っている。30,000VNDが150円で50,000VNDなら250円というところ。
そんな金額に旅先でムキになって値切ることも無いのにと思うのだが、そこで暮らす人にとっては、大金になる場合もある。
またチャータのように、支払いが最後になることがある。この場合は、最初決めた金額条件と、条件が違うことがある。1回なのか、1時間なのか、時間制限がないのかを翻してくることも。そんな時は、乗車したあとだから厄介である。言い値で払っても、値切って支払っても後味が悪い。
よく確かめないと、結局トラブルのもとを作ってしまう。
値切るを楽しむ
そうは言っても、50円が高いとか安いとかで一喜一憂しているのは、旅の楽しさである。そしてそんな交渉をした記憶の場所が、何年たってもランドマークのように思い返すことができる。
日本円の50円であっても現地価値は大きい。
もちろん5円・10円でもだ。
そのギャップにちょっとだけ旅の楽しみの要素として加えると、メモリーとして残るということか。
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