復刻した「憲法と君たち」を改めて読んでみる。

私が生まれる2年前、1955年に発刊された本の復刻である。あくまでも、子供達へのメッセージとして書かれているが、当時この日本国憲法に対する改憲と護憲が論議されていた。

憲法と君たち 佐藤功著 時事通信社

憲法と君たち・復刻版

世界の国々の緊張が、高まっている。

日本では憲法に定められている9条の解釈に揺れている。戦後70年の経過で少しずつ吹き出した整合性。

日本を取り巻く国の環境の変化も著しい。アメリカは、「ドナルド・ジョン・トランプ」氏が大統領に選出した。生粋の政治畑からでなくビジネスマンとして成功をおさめている彼の言動は、他国の首脳陣の反応を楽しむかのような発言が続いている。

こんな時代だからこそこの本が復刻された理由があるだろう。

この本を私がはじめて目にしたのは、小学校か中学校の図書館だったと思う。さすがにすべての内容とは行かないまでもところどころのフレーズが脳の片隅に残っていた。

「人民の、人民による、人民のための 憲法」が世界の国々の憲法の成り立ちである、というくだりである。この言葉は奴隷解放の宣言をしたアメリカ大統領のリンカーンの演説の言葉とシンクロした。「人民の、人民による、人民のための 政治」は、「自由」を得るための言葉であった。

今は自由なんて言葉の存在が薄れてきている時代かもしれないが、日本もかつて戦後を経て民主化をしてそれを手に入れたはずである。

あれから70年経った今、日本はより自由を享受しているだろうか。人民に自由をあたえられていない大国が経済を大きく動かし、バランスを保っていた力関係を崩す。

台湾の民主化選挙

先日のトランプ次期大統領と、中華民国(台湾)の蔡 英文 総統の電話会談にかんしても、「ひとつの中国」を標榜する中国が遺憾の表明をする。一つの国と言うなら平等であるべきと思う。
北海道と北方領土 地図

北海道と北方領土

ロシアとの北方領土問題も戦後の処理が続くひとつ。今回のプーチン大統領の交渉もなかなかむずかしいだろう。返還にむけて大きな期待を持った2005年頃からもう10年も過ぎた。

日本のバブルから20数年余り経済が回復していないように、この領土問題も同様、トップ同士の会談がされないまま10年のブランクが経過している。

以前に論議の対象になっていた「二島返還」が実施されていれば、今回の交渉であと二島の国後・択捉の返還の交渉になっていたかもしれない。

しかし、今四島の同時返還は現実味を感じない。私が北海道の道民であるだけでなく、もうすでに他界した父の生まれた故郷が「択捉島」だからだ。

父の兄弟が受け継いでいるという話しで、択捉島の土地の権利書もあるらしい。(らしいと言うのは、現物を見た事がない-権利者らしいが興味がない)

不自由で不平等な国と交渉するには、日本の外交は限界なのかもしれない。

もし、生きている間に、「択捉島」まで返還されるようになれば観光でもしてみたい。

仁川上陸作戦記念館

仁川上陸作戦記念館

 日本に最も近い国の韓国では、朴槿恵(パク・クネ)大統領が側近を使って一部の人だけが恩恵を受ける不平等な政治をおこなっていたとして辞職を求められている。その昔、朴大統領の父親の時は、軍事政権下のなか経済の礎を築いたが徹底して民主化などの運動は弾圧した。そこには、暗殺という命の代償として人民からの自由と平等の反旗が見え隠れする。

リンカーンの言葉「人民の、人民による、人民のための 政治」をするためには、憲法が必要である。それを実行するには平等な人が行っていく。最近の国々にみる絶対支配者の政治ではなく、さらに、ごく限られた人の利益や幸福ではなくすべての人に行き渡る政治がもとめられている。

「人民の、人民による、人民のための 憲法」

この本は子供向けに書かれた1955年発刊の本である。日本国憲法に対する改憲と護憲が論議されていた。それは今でもつづく論議である。そのころより子供達は、平等になったか、自由になっているか

いじめが社会問題になっている中で、本文中にあるように

「憲法が君たちを守る。君たちが憲法を守る」

という永遠のメッセージが、日本の国を大きくすると思う。

SNSの時代、民意が反映しやすい世界で「憲法」が育っていく。

大人が読んでも、心に残る一冊であった。

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